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トランプ大統領、エルサレムをイスラエルの首都と認定した理由

 

エルサエルの歴史的問題と紛争の経緯

エルサエルには、ユダヤ教キリスト教イスラム教の3つの宗教の聖地があり、歴史的にしばしば紛争の地となってきた歴史があります。

第1次世界大戦後にはイギリスの委任統治下にありましたが、1947年の国連パレスチナ分割決議により、エルサレム国連管理下の国際都市へと移行されました。

しかし、イスラエルの建国に伴う第1次中東戦争の結果、歴史的な市街地域を含む東エルサレムはヨルダンが、西はイスラエルが制圧・実質支配下に置きました。

この時、イスラエル国連決議を無視して一方的にエルサレムを首都と宣言しました。しかし、国連決議を無視したイスラエルの宣言は当然国際社会には認めらる事はありませんでした。

 

こうした状況下で、1967年の第3次中東戦争で、イスラエルは東エルサレムを占領し、ヨルダン川西岸の他の占領地から分離してイスラエル領土に編入し、エルサレムを全市を占領し、1980年にはエルサレムを恒久的首都と宣言した上で、ユダヤ人の移住を進め、さらに1998年にはエルサレム周辺の入植地と合わせてエルサレム市の範囲の拡大も進めたのです。

しかし、パレスチナ人もエルサレムの権利を主張し続け、現在までエルサレム問題は、中東和平における最大の課題となっているのです。

 

トランプ大統領エルサレムイスラエルの首都として認定する発言

先の様に、じわじわとエルサレムにおける実効支配の拡大と、首都としての既成事実を積む重ねようとするイスラエルの姿勢に、国際社会は一貫して国連決議をベースに容認する事はありませんでした。

その為、世界各国は首都に置くべき大使館をエルサレムではなく、テルアビブに置いて来たのです。

こうした過去の経緯を無視するかのように、トランプ大統領はエルサエルをイスラエルの首都として認知し、その証として大使館をテルアビブからエルサエルに移すと宣言したのです。

 

この発言は、当然世界の各国から非難され、西側諸国のドイツ、フランス、イギリス等の首脳も一斉に非難の声を上げているのです。

こうしたトランプ大統領の突然の発言には、国内の政治基盤と自身の再選に向けてのパフォーマンスの色合いが強いとされていますが、国際政治のバランスを崩しかねないデリケートな課題に対して、無神経な発言をなぜ行うのかを少し詳しく見たいと思います。

 

アメリカにおけるユダヤ人の影響力

ユダヤ人は世界に1360万人程度とされており、イスラエルに570万人、アメリカに530万人、その他世界各国に分散して770万人がいるとの統計があります。

アメリカには、イスラエルを除くと最大のユダヤ人が暮らしているのです。しかし、アメリカの人口2億人に対しては、わずかに3%にも満たないのです。

にもかかわらず、トランプが大統領に就任する以前から、ユダヤ人のアメリカの中東政策にはユダヤ人の影響が色濃く出ていました。

これには、ユダヤ人がアメリカの経済界において成功を修め、多くの大富豪を排出し、そのロビー活動や資金による政治への影響力が極めて大きい事に因るものです。これがアメリカが中東においてイスラエル寄りの政策を続けていた根源です。

 

この様にユダヤ系のアメリカ人の影響力には大きなものがあります。しかし、ユダヤ系であると言う事と、ユダヤ教を信じるユダヤ教徒である事とには、アメリカにおいては大きな乖離が存在します。

アメリカのユダヤ人において、ユダヤ教を自身の宗教として信仰する人は、50%程度に過ぎず、他のキリスト教を基盤とする国民に対して無神論者の比率が非常に高いのです。

ユダヤ系であると言う事は名前等からも分かり、また経済的にも成功者が多く、自らを恥じると言う事は無いのでしょうが、信仰心に対してはアメリカの歴史の中で、キリスト教社会の中で、何らかの無言の力が働いていたのかも知れません。

 

トランプがエルサレムイスラエルの首都と認知した背景

上記の様に、アメリカの経済界でのユダヤ人の影響力は、昔から強かったのに、歴代の大統領はエルサレムイスラエルの首都と認める事は避けていました。

しかし、トランプ大統領は、これを宣言したのです。この背景として、大きく2点が言われています。

 

第1点は、トランプ大統領は選挙時に公約し、支持を受けた層に対して、何一つ実績を上げる事が出来ていません。唯一、TPPからの脱退と言う大統領権限で可能な政策のみしか達成できておらず、実績を上げるポイントとして、自身の支持層の1つであるユダヤ系社会に対してサービスしたと言うものです。

そして第2点としては、トランプ大統領の娘婿であるクシュナーシがユダヤ教徒であり、娘もクシュナーシとの結婚後に、キリスト教からユダヤ教に改宗した事も大きく影響していると言われています。

 

まとめ

自分の支持基盤に対するリップサービスと、お気に入りの娘と娘婿の影響で、シビアな中東の火種であるエルサエル問題に、こうした発言を平然とするトランプ大統領の危うさを、世界の多くの人々が改めて感じた出来事であり、今後も目を離す事ができない課題と言えるでしょう。