たのしす〜楽しさでつながるブログ〜

「私」が感じたこと、「あなた」に伝えます

丸モチはどこだぁ

 皆さんは、よく道を聞かれたりはしませんか?私は自慢ではないのですが、よく聞かれるのです。駅や銀行の場所を聞かれるのなんて日常茶飯事ですし、バス停やタクシー乗り場を聞かれる事もしょっちゅうでした。

 

その日もスーパーへ行くと、一人のお爺さんに声を掛けられました。

 

「すまんが、モチの売っている場所はどこだね?」

 

モチ?

 

ああ、そういえばこの間このスーパーって模様替えしたんだっけ。

 

売り場もかなり変わっちゃったりしてるし、迷うのは当然だよな。と、私はお爺さんを切り餅が売っている売り場へと連れて行きました。

 

と、「何だ四角か」え?モチって大抵四角だよね?

 

すると、「丸モチが食いたかった」

 

ええっ。丸モチなんてないよっ。

 

お正月になると出てくる丸モチだが、この時はまだ11月。

 

とてもではないが丸モチは並んではいない。

 

その事を伝えると、「ああ、ほら。あんこの入ったやつだよ。あんこの」

 

あんこ?ああ、大福の事か。

 

私は急いでお爺さんを大福が売っている和菓子コーナーへと連れて行きました。

 

ここなら、あんこの入った大福はたくさんあります。

 

しかし、お爺さんは浮かない顔をしています。

 

ここで私も立ち去れば良いのに、杖をついているお爺さんは、亡くなった祖父を思い出させました。

 

もし、おじいちゃんが困っていて、誰も助けてあげなかったら?

 

そう思うと、このお爺さんの事もほっとけなかったのです。

 

どうしたのか?と尋ねると、種類がありすぎていつも食べているのが見つからないと言うのです。

 

「ちょっと、あんた。代わりに見てくれないか?」

 

えっ。私ですか?

 

私は周囲を見て店員さんを探したのですが、こういう時に限って見つからないんですっ。

 

私はとりあえずメーカー分けをして、お爺さんの所に持って行きました。

 

「これじゃない」「これは大き過ぎる」「こんな色じゃなかった」と、持っていくモチ全てにダメ出し。

 

勘弁してくださいよぉ。

 

と、お爺さんがいきなり、「何でツブばっか持ってくんだ。

 

俺はこしあんが好きなんだ」

 

 

知らんわっ。

 

 

と思わずツッコミをいれてしまいそうになりました。

 

それぐらいこっちもピークに達していたんです。

 

困っている人を助けるのは当たり前の事です。

それが例えわがまま放題のお爺さんだとしても、イライラしてはいけない。

私はとりあえず何とか笑顔だけ見せました。

そして、ここにはないという事を伝えたのですが、そのお爺さんは納得していないようで、なかなか私も去り難くなってしまいました。

 

だって目的の物がないから、じゃあこれで。という訳にはいきません。

 

私はお爺さんに待っているように言ってから店員さんを探しに行きました。

 

すぐそこに居た店員さんにお爺さんのリクエストを伝えると、店員さんに全部お任せするようになり、その場から立ち去りました。

 

お年寄りには親切に。

と、皆習って育ちました。

 

でも、あまりにも理不尽じゃありませんか。

 

丸モチはどこにあるかに始まり、あんこが良い、出来ればこしあんが良いなんて、いつまで経ってもゴールに近付かないような気がしてしまったんです。

 

おそらく店員さんならお爺さんのリクエストにも答えられる事でしょう。

 

と、やっと自分の買い物に集中する事が出来る、と思ったのですが、やっぱり気になるのはあのお爺さんの事です。

 

ちゃんと丸いこしあんの入ったモチを買えただろうか?あんまり気になったのでお爺さんを探してみました。

 

ああ、居た居た。と何気なく近づいてみると大福を買ってました。

 

ん?ツブあんばっかり。

 

と、お爺さんも私に気がついたみたいで、「ツブも美味そうだな」

 

はぁ?何ですか、その答えは。

 

 

さすがに脱力しました。

 

何がこだわりがあるからあんなに聞いてきたんじゃないの?

 

ツブならツブで良いなら、なぜあんなにこだわりを見せたんだっ。

 

と、思わず声を荒げそうになってしまいました。

 

分かっています。お爺さんが悪い訳ではないし、私ももっと広い心を持たなくてはダメなんですよね。

 

分かってはいるのですが、どうしても納得出来ないのです。

 

そもそもなぜ最初から店員さんに聞かずに、客である私に聞いたんでしょう?

 

それが最大の謎です。

 

近くにはサービスカウンターもあったのだから、その方がずっと早いはずですよね。

 

聞かれたこっちだって困る事もあるんですっ。

 

何だか、いつも以上に疲れた買い物でした。後日、友人にこの事を話すと大爆笑されました。

 

しかし、友達の意見としては、きっとそのお爺さんは寂しい人なんだよ。

 

と、いう事でした。

 

そうなのかな?

 

 

寂しいから適当な話し相手として、私が選ばれたのでしょうか。

 

今となっては分かりませんが、それならそれでちょっと寂しいですよね。

 

誰とも会話出来ないから、偶然出会った人と話しをするなんて。

 

そして、私はと言うと相変わらず道を聞かれる事が多い日々を過ごしています。

 

さすがにモチのある場所を聞かれる事はありませんが、なかなか大変です。

 

それでも最近は携帯のナビ機能がある為、聞かれる回数はグッとへりましたけどね。